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「Standing Still」
真夜中には雲が覆っていて、
朝が来るのと同時に
雲が太陽から逃げていくように立ち去って行く。
風が吹く中で、陽の光を待つ。
ここは誰もいない山の中腹だ。
誰の視線も気にする必要はない。
何も無い空に陽の光が一直線にボクの目を突き刺す。
それを黙って佇む。ずっと。
地球が動く様を感じるためには、自分が微動だにしないのがいい。
しばらくすると目線から外れて頭上に行くのがわかる。
その時間の経過を愉しむ。
冬の朝はとても空気が冷たい。
震えが来るのを抑えながら、ただ佇む。ずっと。
体内が寒さで静止していられないことを脳内に指令を出している。
そんなことを思っていると、陽の光が熱を帯びてきた。
動かないことで動いていることを意識する。
Standing Still。ただ佇んでみた。
静止してみるだけで、
状況は常に動いているのが良くわかる。
そしてボクの心も動いていくのが良くわかるんだ。