08/12/10

■ いわゆるひとつのスクリプト体

Ascripta-Drawing.jpg
COM4t Ascripta -Drawing

今年ももう暮れにさしかかったところで、すべりこみのニューフリーフォントをリリース。まさか、今年中に3つもFontをリリースできるとは、今年のはじめには思っても見なかった。
本当なら、今年中にBuy Fontをリリースする予定だったのだが、こちらのFontがなかなかうまく作業がはかどらない。それと販売システムと英語の問題があったりと、二重の問題を孕んでおり言い訳けばかりが頭をよぎり、困ったものである。

それとは反対に新しい書体のアイデアがどんどん沸き上がり、今年だけでも5つも紙上にタイプフェイスができあがっており、その2つを吐き出した形だ。

今年出したフリーフォントを振り返ると、COM4t Nuvuは一昨年から作業にかかっていた書体だった。Regularと名付けている通り、いづれはBuy Fontとしてウェイトをそれぞれ用意したファミリー化を進めていくつもりだ。

COM4t Ongacは、フリーフォントとして渇望されているスクリプト体をフリーフォントにし、Buy Fontとして正体・斜体・プラスアルファされたフォルムと、ウェイトを用意していくファミリー化ではなく、フォルムを変形させていくファミリー化を思案している。

そして今回のCOM4t Ascriptaは、Base、Oblique、Leanとしたファミリーで構成された書体で、今回アップしたファミリーのみと今のところ考えている。このフォントはこれまで作成してきた書体の良い部分というか、個人的に気に入っているフォルムをすべて融合したらどうなるかを、やってみたかった。これのテーマは「Self Remix」。主にFamilian ElderとNuvuとOngacをリミックスしているが、これまで私自身が作成してきた他の書体のフォルムも混合されているだろう。

この書体を思案していく基礎になっているのはその名の通りBaseで、これを手書きで書いている段階で「もしかしたら逆の傾きの斜体でも成立する書体になるかも?」と思い、ある段階までできた時点でイラストレーター上でやってみたら、思っていた以上に面白い並びになったので、採用してみた。こんなスクリプト体ってありそうでないかもと思うのだが、どうだろう? あと書き順を無視しヒゲを後ろにつけ、連なるように見せてみたら、うまくリミックスできるのではないかと考えたのが始まりだった。アルファベットを母国語に持つ方々見たらどう映るのかも聞いてみたいのだが、英語が話せない私の最大の弱点がここでも露呈してしまっている。情けない話だ。

振り返ってみると、今年アップしたフォントはラインを意識したものばかりだったように思う。もちろんQuillineやMeltonのような曲線のみで構成しているフォントもそうなのだが、よりラインの美しさを重視し過ぎたフォントになっているのではないか。それによって可読性の低下の問題がおろそかになっているのではないか。今の私の解答はこのAscriptaなのだが、また新しいスクリプト体への挑戦もしてみたいと思っている。

* * *

長々と素直な気持ちで書いてみたのだけど、やっぱり言い訳けのように聞こえてしまっているのが、なんだかなぁ〜と。
でもまぁ真剣に取り組んでいるのは伝わったんじゃないかな?

"COM4t Ascripta" Download URL
http://com4t-fff.seesaa.net/article/110577800.html


posted by KATAYAMAC at 07:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | Font

08/12/04

■ Crazy Nights


loudness - Crazy Nights

ボクが若かりし頃は、バンドブーム全盛期。生まれ育った田舎の高校でも、みんながこぞってバンドを結成し、コピーバンドをやっていた。ライブハウスなんてものはなく、気の良いカラオケバーの店主が高校生のために昼間のみ開けてくれてそこでコンサートと名打って、友達を呼んで2・3組のバンドでやってたり、たまに大きなホールでやると聞いて行ったら、老人ホームのちょっと広いホールで、おじいちゃん・おばあちゃんと一緒になって、エレキギターをジャカジャカ弾いてるの聞いたりして、なんともロックとは無縁な雰囲気をかもし出していたりと、今思えばあの頃はみんな粋がっていたケド、「いい時代だったなぁ」と感慨にふけってしまう今日この頃に、この訃報は寂しいものがある。

このバンドを知ったのが、このコピーバンドを組んでるヤツと友達になる前の時だったと思うのだけど(もう20年以上も前の話だから)、そいつから「コレ聞いてみな」的なことを言われて、LPレコードから録音されたカセットテープを渡されたのが、この LOUDNESSの「THUNDER IN THE EAST」だった。当時のボクが聞いていたのはほとんどが邦楽で、アイドル歌謡が主だった耳には強烈な音の集合体で「うわぁ!何これ!」と拒絶反応を示すのだが、なぜかメロディが心地よい。曲が進むにつれ、だんだんドラムの音が胸の奥に響いてくるのが気持ち良く、いつしか泣くようなギターに痺れるような耳になっていた。全曲聞き終わったらまた1曲目から聞きだす。今で言うヘビロテだ。この頃にはまだこんな言葉はなかったように思う。次の日に、そいつのところへ駆け込み「スゲーいい!レコード貸してくれ!」と言って借りて、またこのLPジャケットを目の前にして、レコードプレイヤーからヘビロテで聞きまくっていた。。。

それが今はYouTubeのこの小さなモニターに移し出されたLPジャケットを見ながら、小さなノートブックパソコンを介して聞いているなんて。時代は変わりましたね、樋口さん。。。ボクは音楽的な事は今でもサッパリなので専門的なことは言えませんが、あなたが叩くドラムの音から脳内に移し出される風景が好きでした。もちろん、ギター、ベース、ボーカルが乗っかってのドラムなのですが、この重く襲いかかってくるような重低音は、今聞いても痺れます。。。良い音をあの思春期に聞かせていただき、ありがとうございました。

誤解を恐れずにいうなら、大きなくくりで、今でいうマキシマムザホルモンがメジャーになってヒットチャートを賑わしているのと似ているのかもしれない。あくまで大きなくくりで。。。このバンドにもいい意味で攻めていってほしいと願う。中心に向かって攻める姿は、いつの時代でも美しい。

* * *

昔を振り返るような話が長くなるようじゃなぁ。ヤダねぇ〜。
posted by KATAYAMAC at 05:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | Essay