Nuvu Regular image sample #02
一文字の筆の流れか、組んだ時の文字の流れか。
分けて考えてしまうやっかいなタイプフェイスにしてしまった。
この事に約1年以上苦しみ続けている。
この書体は以前、もう15年前に作成した書体をまた新たに改変している書体で、以前のものはまだ組んだ時の流れや印象をなんとなくしか意識せずに骨格やエレメントを作っていなかったので、この書体の骨格やエレメントすべてを改変したとしても、土台(基礎)が悪いとどれだけ表層を着飾っても、やはり最終的に悪い部分が自分に帰ってくる。困ったカタチにしたものだ。もしかしたら規模は天と地の差があるが、土台や基礎がしっかりしていなければならないという点で、建築と同じなのかもしれない。
一文字のラインの美しさやカタチひとつづつは満足している。ここは以前のものよりも精密にブラッシュアップした。これ以上はないというところまで。。。
この考えが間違いなのか? 「これ以上ない」なんてモノはこの世にないのに。
歴代の有名なタイプデザイナーが見たら笑われてしまうかもしれない書体なのかもしれない。もっと勉強をしなければと、自問自答の繰り返し。
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ということをリリースする前に作者自身がマイナスイメージを植え付けてどうする?といった感じだが、この気持ちを公表することで、新たな突破口が見いだせるかもしれないと思い書きながら考えてみた。いや見いだせるのではなく、行動に移すかもしれないと言った方が正しいのか。
数年経って見ても、震えがくるほどのすばらしい書体を目指して。