
どこに始点があったのかわからずに、同じ終点を見ていたのかもわからずに、人は皆、ひとつの線上を一緒に辿ろうとする。
「結果ではなくプロセスが大事」とあの日、君は言ったけれど、僕は君の話を聞かずに、幸ある終点をふたりで探したいと考えていた。
でも心のどこかで男と女の思考の違いに気付きはじめていた僕は、「男が描く理想の探し方」を知ってほしいと子供のように駄々をこねたいだけだったのかもしれない。ただやみくもに幸せを探すより、行くべき理想を探してから歩こうよと---。
今となっては「そんな見えない未来に頭を悩ませる前に、目の前にある幸せになぜ、あるがままに楽しもうとしなかったのか?」
あの頃の僕には始めから幸せのカタチは一緒にはならないことを知らなかった。またそれを不幸とどこかで思っていた。
今思うことは、いや願うことは、男と女の観念が違うからこそ幸せの数が増えるはずで、終点に思いもよらなかった幸福感をふたりが感じていればいいと思う。でもあの日の僕は、君に振り回されていると思っていて、何もわからずにいた。
また、今頃になってもうひとつわかったことがある。
むずかしく考える必要なんて何ひとつなく、思ったように行動できる勇気と、目の前にある困難に対処できる力さえあれば、そんな事に頭を悩ませることはしなくていいことを。そして女にとって男に求めるのはそういうことなのかもしれないと。
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また昔やっていたサイトで書いていた詩のように、内なる気持ちを書いてみたくなった。突然こういう気持ちがふとやってくる。